2014-06-01から1ヶ月間の記事一覧

沖縄慰霊の日を迎えて 『4日間の沖縄 最終日 沖縄の戦地に咲く花を見た』

沖縄を去る日の朝も、大音声(だいおんじょう)放送には気づかずに目覚めた。 布団の上に寝転んだまま、窓から入ってくるさわやかな風を顔に受け、昨晩、那覇市内の小さな台湾料理屋で酔いしれたことを思い出す。シジミのニンニク醤油漬けの強烈な香りも、記…

沖縄慰霊の日を迎えて 『4日間の沖縄 第3日後半 沖縄の基地を訪ねる』

昼飯は、また梅原君おすすめの沖縄そば屋へ行った。私としては、沖縄にいる間にできるだけたくさんの沖縄そばを食いたいので、大歓迎だ。 丘陵を昇り降りする道の途中にある、大きな沖縄そば屋に入った。 この店もそうだが、多くの飲食店は、そのたたずまい…

沖縄慰霊の日を控えて 『4日間の沖縄 第3日前半 故地を訪ねる』

3日目の朝を迎えるにあたって、梅原君から事前に2つの助言があった。 1つは、朝7時の「朝のあいさつ」大音声屋外放送は、3日目には不思議と気づかなくなり、寝坊するにしても睡眠に差し障りがなくなるということ。 もう1つは、民宿の朝食は、予告された時間…

沖縄慰霊の日を控えて 『4日間の沖縄 第2日後半 街の「ち」を見る』

やって来られた考古学研究者は、名護博さんという沖縄本島出身の方で本職は農学博士、現在は瀬戸内短期大学で教授をしておられるそうだ。 私が滞在している短い間にお会いできたというその偶然は、私にはまったくの幸運であった。名護先生とは翌日の朝に再会…

沖縄慰霊の日を控えて 『4日間の沖縄 第2日前半 おばあのバナナ牛乳』

「皆さん!! おはようございます!!!」という、窓外からの大音声(だいおんじょう)が耳に飛び込んできた。 思わず「ううっ」とうめいて、眼鏡を掛けないまま、枕元の携帯を手探りで探し引き寄せ、顔にうんと近付けて見る。午前7時。“元気いっぱい”の声は…

沖縄慰霊の日を控えて 『4日間の沖縄 第1日後半 本土からの客』

その居酒屋は、建物の1階にあり、オープンテラスのような席も外に設けてある居酒屋だが、店内は、東京にあるような大きな居酒屋と変わらない。ただ、周囲には他に店もなくビルもなく、ぽつんとそこに店がある。お客は結構たくさんいて、外の寂しさに比べると…

沖縄慰霊の日を控えて 『4日間の沖縄 第1日前半 宮古島から那覇へ』

1945年6月20日の前後、沖縄での米軍との激烈な戦闘はほぼ終了した。日本で唯一の地上戦であり、多数の沖縄県民が亡くなった。それから69年を経ているが、沖縄にはたくさんの米軍基地が存在している。これは言うまでもなく日本全体の問題である。そして現在日…

僕のTOKYO1964 〜貨物列車のでこぼことともに消えたもの〜

「長き長き春暁の貨車なつかしき」。これは、加藤楸邨という人の句だそうで、中学校だったか高校だったかの国語の教科書に載っていた。 物心ついた時分から大学に入るまで、私は東京の駒込に住んでいた。そこは父の会社の社宅で、門を出て左に百メートルほど…