2014-07-01から1ヶ月間の記事一覧

脳と心 〜発達障害者の物語 序の5 高齢者の発達障害はどうなっているのか〜

発達障害というものが話題になった最初の頃は、ほとんど専ら「子どもの発達障害」についてだったように思う。 自閉症は、もっと以前から知られていたが、子どものさまざまな“問題行動”が、家庭環境や教育の問題ではなく、脳の機能の問題が原因であることが唱…

脳と心 〜発達障害者の物語 序の4 分類がよく分からない〜

今年(2014年)の5月28日に、日本精神神経学会が「DSM-5病名・用語ガイドライン」を発表し、新聞等でも報道があった。 いわゆる発達障害とされるいくつかの精神疾患の名称を、アメリカの新しい診断基準である「DSM-5」に沿って、これまでのものから変更した…

脳と心 〜発達障害者の物語 序の3 発達障害も文化によってだいぶ変わる?〜

公の場では本音を隠したり、感情を押し殺したり、言葉の裏を読んだりする“大人”の行動は、一種の文化であり、日本社会では特に強いものであろう。 欧米では自分の意志や考えをはっきりと主張をすることが多いそうだし、明瞭に言語化するようだ。中国や韓国も…

脳と心 〜発達障害者の物語 序の2 『坊ちゃん』は発達障害タイプだから魅力的なのだ〜

さて、発達障害と自分の内面の発達史のようなものを考える中でふと思い当たったのは、さまざまな物語に登場する発達障害についてである。 古今東西のいくつもの物語の中で、奇異な人物として描かれる中に、発達障害としての特異な言動が表れているのではない…

脳と心 〜発達障害者の物語 序の1 発達障害をもっと知りたい〜

数年前に、発達障害という脳の働き方の“問題”があると知って、興味を引かれた。少しずつその内容を知るにつけ興味は深まり、今はすっかり取りつかれてしまった。 発達障害とはどういうものなのか知りたい、という気持ちと同時に、なぜ私は発達障害について強…

私の戦争1964 〜いくつかの7月1日〜

私が生まれる19年前の7月1日、すなわち1945(昭和20)年の7月1日は、どんな日だったろう。私の手許にある、戦時中の作家らの(刊行された)日記をいくつか調べてみた。 『ある科学者の戦中日記』(富塚清/中公新書/1976年)。著者は、ジェットエンジンの権…