詩 第3回 〜元気じゃなくっていい〜

みんな他人のせいにしてしまえ


泣いて 泣いて 泣いてしまえ
ののしって ののしって ののしってしまえ
わめいて わめいて わめいてしまえ
みんな 他人のせいにしてしまえ
ぜんぜん かまうことはない
泣いて 泣いて 
みんな 他人のせいにしてしまえ
ぜんせん かまうことなんかない


おじいちゃんおばあちゃん


うんと小さい頃に死んでしまったおじいちゃん
中学生の頃に死んでしまったおばあちゃん
学校が忙しい頃に死んでしまったおじいちゃん
世の中に出た自分をちょっとだけ見てくれたおばあちゃん
おじいちゃんおばあちゃんおじいちゃんおばあちゃん
今はいないけど
とてもやさしくしてくれた
あんなにやさしくされた自分だから
あんなに大事にされた自分だから
自分は悪くないよね
自分は情けなくないよね
そう
まちがいない
あんなにやさしくされたあなたなのだから
あなたはとても
大切でかけがえのない人です


元気じゃなくっていい


今 苦しいあなた
あなたが元気でいる必要はありません
義理も礼儀もいりません
何も責任を感じる必要はありません
今やるべきことなど何もありません
いつか元気にならなければなどと思わなくてもいい
体裁も身だしなみもいりません
朝起きる必要も夜寝る必要もありません
どんどん人に頼って人に迷惑をかけてください
あなたはただ生きていさえすればいいのです
そして
返事もいりませんからね


人から人へあなたが伝わる


あなたは私にあなたの苦しみを 話してくれた
ありがとう
私はあなたのことを しっかりと心に刻みました
あなたという人がいることを
私は誰かに話すでしょう
その誰かも あなたのことを誰かに話すでしょう
あなたという人が
やさしくて だから いつも苦しくて
そうして そんなあなたが
どこかにいることを
今は もう たくさんの人が知っています