ツバメの子

 この季節、住宅街を歩く時には、軒下などに鳥のフンがいっぱい落ちていたら、その上を見上げるようにしている。
 今日も、ある建物のガレージの内側にいっぱいフンが堆積していたので、上の方を見てみると、意外に低い位置にツバメの巣があって、ツバメの子どもたちが並んでいた。
 あんなに低い位置でだいじょうぶだろうかと思うとほど低かったので、子どもたちがよく見えた。
 3羽ほど、口をむっと結んで、上を見て全然動かない。と、そこへ親鳥が餌を運んで戻って来た。いっせいに黄色いくちばしをいっぱいに開いて大騒ぎだが、親ツバメはすぐに口に餌を放り込んで、飛び出していったので、子ツバメの騒ぎも一瞬だった。
 親ツバメは私を威嚇するつもりなのか、目の前の空気をさっと切り裂いて、出て行った。
 子ツバメたちは、またむっと口をつぐんでしまった。