映画『金環食』

 映画『金環食』は、1975年に、石川達三の小説を山本薩夫監督が映画化したもので、ビデオでは何回も観た。
 昭和30年代後半からの高度経済成長期、国土“開発”の名のもとに行われるダム建設に絡んで、建設会社、官僚、与党政治家らによる贈収賄事件を、細かくリアルに描いている。
 あまりにもリアルで、しかも実在の政治家をモデルにしているため、当時の与党自民党関係者から訴訟問題にもなった(なりそうになった)と聞いたことがある。
 実在政治家を演じる役者では、私の大好きな俳優である中谷一郎さんは、田中角栄をモデルにした幹事長役を演じていた。
 出演者は、仲代達矢三国連太郎京マチ子など1970年代のスター俳優がたくさん出ており、非常に硬派の社会派作品だが、最後まで楽しめる。
 さて、昨日の天体現象の金環食だが、当地は雨で見えなかった。
 悔しかった、というのも悔しくて言いたくないくらいである。
 一生忘れることのできない、痛恨の思い出が一つ増えた。