親からもらったじょうぶな歯
去年から、疲労が蓄積すると歯が痛くなったり、うずいたりした。これは前から時たまあることではあった。
おもしろいのは、念入りに肩や頭をマッサージした時にも痛くなることだ。
虫歯ではないだろうと思っていたが、やはり気になるし、痛くなるとその激しさはかなりのものなので、今日、歯医者に行った。
私の歯はありがたいことに、生まれつきじょうぶなようだ。私の両親は高齢ながら現在も自分の歯で食っているし、私も滅多に虫歯にはならないからだ。
それからもう一つありがたいのは、私が学校を卒業する時に、両親からのはなむけとして、徹底的に歯の治療をして、その代金を払ってもらったことだ。
東京の青山にある歯科医院で卒業前に悪い部分を治してもらった。もう四半世紀も前のことだ。
5年ほど前に、またその歯科医院でやはり徹底的に治してもらった。この頃には保険診療をしなくなっていたので、費用はかなりかかった。けれども、保険では使えない金属をかぶせてもらい、その治療は実にていねいなものであった。
今回は、とりあえず近所の歯科医院へ行った。
初めてであったが、インフォームド・コンセントがきちんとしていて良かった。
医師は、診てすぐに自費治療であることが分かったようで、そのあたりの気遣いもあった。
結果は歯周ポケットが1カ所あり、それ以外は問題がなかった。
以前の治療がきちんとしたものであったことと、その治療の際に、ブラッシングをしっかり教わったことも良かったのだろう。もちろん、親からもらった歯がじょうぶであったことが何よりである。
疲労がたまると、歯周ポケットから入った菌によって、痛みが出るのではないか、との診断もあった。ただ他にも原因があるのではないか、とも言っていた。
私は異常な肩こり、首筋のこり、それに頭皮のこりがあるが、それらも原因になっているような気がする。
それと、疲労時の抵抗力の低下によって、歯痛が起こるのではないか、と思う。
しかしまあ、虫歯でなかったのは、本当にうれしいことである。
歯科のイスに座ると、それだけで、私は人格が変わり、何も悪いこともしていないのに、ただもう謝罪しなければならないような気持ちになるのである。