『マレーの虎 ハリマオ伝説』

 知人の旧日本海軍軍政史研究者が『マレーの虎 ハリマオ伝説』(中野不二男著 文春文庫 1994年)という本を貸してくれたので、読んでいる。
 本の中身はおもしろく、著者は戦後(1950年)生まれながら、よく調べて詳しく書いているし、叙述もなかなか巧みである。
 私にこの本を貸してくれた研究者は、普段は、さまざまな資料を渉猟しているようだが、もちろんこうした一般向けの読み物にも非常に詳しい。歳は私よりかなり下で、本当に学問が好きな様子がいつも感じられる。
 社会科学のいろいろな分野で、地道に調査や研究を続けている人がいるというのは、とてもありがたいことで、社会はこういう人たちを大切にしなくてはいけない、と思う。