裁判も受けさせずに外国人を勝手に殺害しても良いのか

 オサマ(ウサマとも)・ビンラーディン氏がアメリカ軍の手によって、パキスタン国内で殺害された、という報道に接した。
 ビンラーディン氏はアメリカ人ではないようだ。サウジアラビアかイエメンか、いずれか中東のどこかの国籍を持っているのだろう。少なくともアメリカ市民ではないだろう。
 しかし、殺害したのは、アメリカ軍の兵士で、アメリカ合州国政府の命令によるもののようだ。
 それに、殺害した場所は、パキスタン・イスラム共和国という主権国家内だ。
 アメリカの兵士が、外国で、外国人を殺害しても良いのだろうか。
 それに何よりも、裁判を受けさせていない。
 「ビンラーディン容疑者殺害」という報道もあったが、「容疑者」を殺しても良いのだろうか。
 9.11テロの容疑者だという。そうかも知れない。けれども、それは裁判によって明らかになるものだ。そうでなれけばいけない。
 疑いだけで「目には目を」などということが許されるのか。
 外国の地で、外国人を、未だ疑いの段階で、勝手に殺害して、そうして大喜びをしている人たちもいる。
 「国」による「私」刑(リンチ)という表現は矛盾しているが、どうもそんな印象がある。
 報復があるかも知れないと、警戒を強めることを呼びかけている人がいるが、そもそも、こんな殺人が許されるのかに、疑問を持ちたい。
 どこかおかしい。疑問を持たないのは、どこかおかしい。