近所ではセミの声もカネタタキの声も

 どうも今年の夏は、うちの近所でセミの声が少ない気がする。
 
 調布の深大寺からそう遠くないこのあたりは、近くに屋敷林もあり、例年ならば、アブラゼミ、ミンミンゼミ、8月半ばを過ぎればツクツクボウシの鳴き声がにぎやかに聞こえる。日が暮れても、街灯の明かりに誘われて、元気な奴が一晩中鳴いていたりする。
 
 残念ながらヒグラシは、うちからもう少し深大寺方面、国分寺崖線方面へ近付かないと聞かれないが。
 
 ところが、昼になっても、セミの声がろくに聞こえない。今も、少し離れてアブラゼミが1匹鳴いているくらいだ。うちの壁にひっついて鳴く慌て者も、今年はいない。
 
 夜に鳴く虫も、やはり少ない。例年なら8月も下旬になれば、コオロギが数種、外来種と思われる騒々しい虫、それらに混じってカネタタキの声が、早朝まで聞こえている。これらの声が、今年の晩夏は何とも乏しい。
 
 あまりの猛暑で、虫も元気がないのかと思ったが、郊外の別の場所ではまずまず聞こえるようだから、必ずしも陽気の加減のせいではないのかも知れない。
 
 奇妙に静かな、そして脂汗を体内に押し戻されるかのように暑いこの夏も、しかし、少しずつは終わりへ移りかけているのだろうか。