8月が来るたびに

 8月。 夏休み、お盆、暑気、そして終戦記念日
 
 私は8月になると、読書を手許にある戦争関連の本に特集する。小説、評論、研究論文、手記といろいろあり、何度も読んだもの、1回だけ目を通したもの、途中で放棄したもの、背表紙だけ見ているものもある。
 
 今年は、まずは大好きな小説家、梅崎春夫の「桜島」からいってみよう。これはもう、何回も読んでいる。「七月初め、坊津にいた。往昔、遣唐使が船出をしたところである。」で始まる。