警官にはさまれて小用

 昨日、打ち合わせで霞ヶ関の官庁街に行った。随分前に水産庁に来たことがあったが、用事がなければ、地下鉄で乗り換えたり通過したりするだけで、私にはなあまりなじみのない場所である。
 駅のトイレで小用を足していたら、私の両側の便器にそれぞれ、制服の警官がぐっと進み出て、私をはさんで用を足し始めた。
 横目にも、揃って屈強であることが分かる。紺色の防弾チョッキを身に付けている。しかし、右側の警官の靴はずいぶんと靴ひもが緩んでいた。
 私がまだ、のろのろごそごそやっているうちに、両警官は揃って体を少し引き、同時にシュッとファスナーを上げ、くるっと向きを変え、ちゃっちゃっと手を洗って、前後になって出て行った。
 私が手を洗って外へ出ると、この2人の屈強な警官は、隊列を組むようにして、向こう側の通路を歩いて行った。
 私は少し残尿感を覚えたまま、彼らを見送って、そうして歩き出した。