なめくじ艦隊

 家の中にどこからかナメクジが潜入してきた。
 カメの餌にしようと思ったが、その前に観察してみた。
 まさに殻のないカタツムリ。体は透き通っていて、かすかに模様がある。手の上を這わせてみると、ぬらぬらした粘液を残す。片方(右だったか)に小さな穴があって開いたり閉じたりしているのは不思議だった。
 やっぱり、ちょっと気持ちもわるかった。
 こんなナメクジに囲まれていた、五代目古今亭志ん生も気持ちわるい思いをしていたのだろうか。志ん生の著書『なめくじ艦隊』でも久しぶりに読んでみようか。