芹がおいしい

 今日は、野の小川で芹を摘んできた。これを生のまま、塩とごま油で和えて、食った。
 とても香りが強くて怖いほどであった。これが、春の野の香りなのだと思った。そして、この強い香りを受け入れることで、春に向かうことができるのだ、とそんなことも思った。
 確か戸川幸夫の作品だったと思うが、教科書で読んだのだろう、熊が冬眠からさめると、まず、ふきのとうを探して食べ、その強い香りの刺激で胃液がたくさん分泌されて、そうして、その後は沢ガニなどもばりばりと食べられるようになる、とそんなことが書いてあった。
 私自身も、私の胃も、冬眠などはせず、ずっと食い続けているけれど、今年は、春の訪れを大切に感じていきたい、と思っている。
 昨日は、鰆を食ったけど、今日は新鮮な真鱈があったので、これをあら汁で食った。冬の魚とは、もうすぐお別れだ。