「狂人」とは何だろう

 狂人とは何だろう、どんな人のことをいうのだろう。
 そして、いつ、誰が、どうやって、それを決めるのだろう。
 そんなことをずっと昔から、折々考えている。
 例えば、主体と客体の捉え方が、“圧倒的多数”と“相当程度”異なっていたら、それを狂気というのかも知れない。
 しかし、それも“程度問題”だから、難しい。
 言語学の立場から、人間の思考の原初を考える方法は、かなり近道のような気がする。
 ただし、言語化できないものを研究対象とする場合もあるから、これもやっぱり難しいかもしれない。
 けれども、臨床的な研究だけでなく、古今東西のあらゆる文献、芸術など、人類が残した資料を渉猟することから、それも可能のような気がする。
 数十年はかかるだろうけど、どんなに短くても。