夢の中で三遊亭円丈さんと故柳家三亀松に会った

 人によって、見る夢の内容や感覚は随分と異なるのではないか、と思う。
 それはその人の日常生活や体験、経験はもちろん、ものの考え方や感性も深く関わっているはずだからだ。
 私は、食い意地が張っているので、飲み食いの夢はよく見る。しかも、夢の中できちんと飲み食いして、はっきりと味がわかることも珍しくない。
 音楽の夢もよく見る。夢の中ではっきりと曲を聴いたり、演奏したり、歌ったりもする。それを後で思い出すこともある。
 数日前には、高齢の高貴な人物が歌うのに合わせて私も声を出した。
 昨晩見た夢では、日本酒を飲んだ。その夢は、どこかの地方都市で、旧家の結婚式に招かれた夢だった。
 伝統的な雰囲気が残る古い城下町かどこかで、私は羽織袴姿であった。披露宴の会場に向かおうとすると、結婚式に招かれているのであろう、やはり羽織袴姿の芸人さん二人と道ですれ違った。
 一人は、今の三遊亭円丈さんで、もう一人は初代柳家三亀松であったと思う。三亀松は、もうとっくに故人になっているし、私は顔も知らないが、夢の中ではなぜかその人だとわかった。
 二人とも、私とすれ違った時に、ていねいに会釈をしてくれた。私は自分がきちんとした格好をしているにしても、自分に貫禄があるのだな、などと少し良い気持ちになった。
 それから、披露宴会場で、日本酒を飲んだ。徳利も猪口も、旧家のわりには、庶民的なものであったが、酒はやや辛口でうまかった。
 ところで、夢を日記に書く人がいるが、あれは枕元にメモ用紙を置いておいて、見たらすぐに書く習慣が大切なのだそうだ。
 今度やってみようか。でも、やり始めたらムキになってしまって疲れそう。