超重量級書籍段ボール箱

 引っ越してからもう1週間も経っていた。
 引っ越し荷物で大変だったのは、書籍の段ボールである。まずその数が多くて50箱近くになった。それでも随分と処分したのだが。
 それを運ぶのがまた大変だった。引っ越しの本番で運ぶのは運送屋さんだが、箱詰めして部屋の中で移動するだけで一苦労である。小さな箱だが、詰め込むととてつもない重さになる。
 これを運送屋さんに頼むのは、申し訳ないと思った。1箱を二人掛かりで運ぶのであれば、問題ないが、数が多いのでそんなことはできないだろう、と思った。
 当日、運送屋さんのチーフと段取りを打ち合わせをしているうちに、他の人たちが書籍の段ボールを運び始めた。
 目を疑った。あの重量の箱を、一人で2つの縦に抱えて、順々に階段を下りて、外のトラックに運び込んでいくのだ。
 もちろん楽に運んでいるわけではないだろう。彼らはたちまち滝のような汗に全身が包まれていく。
 運送屋さんのチーフは、女性であった。その彼女も、数は少なかったが、同じ運び方をした。
 みんな本物のプロだった。
 ありがとうございました。