墓参

 今日3月27日は、高校の吹奏楽部の同級生の、命日である。三十歳を前にして亡くなってしまった。あれから、18年にもなる。
 毎年、墓参をすると、服が線香でいぶされて、いつも、煙のにおいをまとって、帰ってくる。
 梅が終わり、沈丁花が香り、桜を持つこの時期には、パッヘルベルの『カノン』が懐かしくて、切ない。高校入学直前によく聴いていた。
 あの頃から、すぐに寂しくなったり、不安になったり、心が変わってしまった。