無計画停電がわが町でも実施された

 今日の午後、私が住んでいる調布市でも、無計画停電が実施された。
 昨日も、一昨日も、直前になって、送電の中止が中止になった。
 今日は、予定の15時20分を数分過ぎて、電気が止まった。
 日没までは、パソコンが使えないことを除けば、明るいうちはさして支障はなかった。

 17時30分を過ぎて、日没が迫ってくると、夕焼け空と赤く染まった雲が窓からよく見える。
 近くの交差点で交通整理をする警官の呼び子笛の音と、強い風の音だけが聞こえている。
 ベランダと廊下から外を見渡すと、はるか遠くの街の灯りがきらきらと、風の向こうに輝いている。
 真っ暗な道を走る自転車のダイナモ発電機の光が、力強い。
 闇にまぎれて、まさに、黄昏時の人となった人が、黙々と歩いている。
 彼は誰か、誰ぞ彼、たぞかれ、たそがれ、黄昏という、この言葉の原義を噛み締めた。夕闇の中で、昔の人が、畏れた、そしてもしかすると、何かを待っていた気持ちが、少しだけ分かる。
 どこかの家の窓の中に、ちいさな橙色の灯火が見える。真っ黒いシルエットとなった人がその前を横切り、その灯しがゆれる。
 私も、ろうそくに火を点けた。

 送電中止が終わって送電が始まる予定時刻、つまり無計画停電終了予定時刻の18時30分よりも早い18時20分頃に、電気が通った。