30年前の受験の頃

 中学生の頃、中間試験だの期末試験だのは、直前にちょこっと勉強して、適当にごまかしていたが、高校受験となると、試験勉強が嫌で嫌でしかたなかった。ごまかせないことが分かっていたからだろう。大学受験でも同じだった。
 
 ただ怠け者だっただけの話だが、あの時に勉強しておけば良かったとは、よく思う。それは、もっと良い学校に行けただろうということではない。受験勉強は、詰め込みだろうが丸暗記だろうが、とにかく憶えるものだ。
 
 その時、古典の文法、古典の名著の出だし、漢詩、英語の慣用句などをたくさん憶えておいたら、今の生活はもっともっと豊かになったことだろうと思う。
 
 そして、その時にとにかく何でもそれらを憶えた人とは、知識の点で歴然とした差があり、その差によって、さらにいろいろな教養や思考の点で後に差が広がったであろうことは、間違いない。
 
 大変な損失であった。