百科事典の功罪

 仕事で百科事典(ネットではなく紙の)を調べていると、調べたいことの周辺にもたくさんの興味深い事項や、聞いたことはあるけれどきちんと調べたことのない事項や、聞いたこともないけれどおもしろそうな事項や、読んでもまったく理解できない数式などが記載された事項などがあり、それらを追っていると、キリがなくなってしまう。
 
 好奇心が引き出されて、知識も増えるけど、仕事は停滞する。
 
 和歌山県龍神温泉のことを調べていても、龍樹という昔のインドの仏教哲学者(まったく知らなかった)のこと、劉少奇(中国の元国家主席文化大革命で攻撃されて獄死した悲劇の人。私が中国によく行っていた頃の百元札にも顔が載っていた。けれでもこの百科事典には没年つまり獄死したことがまだ記されていない。ちょっと古すぎるか、この事典は)、柳条辺牆(りゅうじょうへんしょうは、中国の清代に満州現東北地方に築かれた柳の枝を挿した土塁だそうだが、ちなみに牆の字がパソコンに入っていたのは、偉い偉い。紙じゃない方もなかなかやるな)などとあっておもしろい。
 
 などと書いていると、肝心の仕事はますます停滞する。