桜の葉っぱもだいぶ紅く

 机の真ん前の窓の、その正面に公園の大きな桜の樹が見える。ふと気づくと、ずいぶんと紅くなってきた。黄色い葉っぱもある。
 
 この葉っぱを水に浸けておくと、桜餅のあの香りになる。桜餅はもちろん桜の葉を使っているのだから当たり前だが、何年か前、冬眠するクサガメの水槽に、この葉をたくさん拾ってきて、さっと水洗いして入れた。
 
 すると、水槽の水が茶色くなって、あのいい香りがしている。人間も食べることができるものだから、毒ではないだろうが、心配になって、その後は、毎年、いったんバケツに入れて、色を出しきってから水槽に入れるようにしている。
 
 クサガメの冬眠は、水深が重要で、時々は首を出して呼吸をするので深過ぎてもいけない。かといって、浅過ぎても、厳冬期に万が一底の方まで凍結したら死んでしまう。
 
 ちょうど良い水深にして、桜の葉っぱをたくさん入れておくと、その下に潜って、冬を越す。
 
 今日あたりはまだ、石に上がってひなたぼっこをしていて、これからも少しは小春日和もあるだろうから、今のうちに、たくさんお日さまを浴びておいてくれ。