甲州側から見た富士山

 中央自動車道の上り線で、甲州側からの富士山を見た。
 
 私が見る富士の山は、冬の晴れた日に東京の西部からが多く、夕方だと赤い背景のシルエットになる。この季節、富士の方向の見晴らしが良い駅の跨線橋などから、雪をかぶった大きな富士を見ることもある。
 
 相州方面に進出すると、さらに大きく見えてくるが、東海道を下って、富士川あたりからだと、これはもう、田子の浦を背にして、白妙の富士の高嶺に、雪は降りつつあるのを、裾野までたっぷりと見ることができる。
 
 今日は中央道で、雪をかぶった八ヶ岳を左手の真横に見るあたりを過ぎて、前方に富士が見え隠れしはじめた。それが、須玉インターあたり来ると、真後ろにくっきりとした八ヶ岳、正面に荒々しい甲州側からの富士が見えてきた。甲州からの富士は何となく荒々しく、それがまた勇壮でもあった。
 
 富士の眺めについては『ツムラ温泉科学プロジェクト』の「ほったらかし温泉」の回でいろいろと書いた。http://www.onsenkagaku.com/mechanism/taikenki_top.html
 
 今、思い出すのは、かつて山手線巣鴨駅の陸橋から見えた富士だ。私が小学校の頃までは、駅前の白山通りの陸橋から大塚方面を見ると、遠くにちょこんと富士山が見えることがあった。ある時にそれを発見して、興奮したことが忘れられない。現在ではそのわずかの眺望も、すっかり建物でふさがれてしまった。
 
 しかし、新しい年の初めに富士山を見るのは、本当に気持ちが晴れ渡るものである。
 
 今年は良い年になりますように。