焚き火と農作業

 土曜日曜と、大学時代のジャズ研究会の仲間たちと、とある後輩の家へ遊びに行った。
 
 当初、恒例の年末寒中キャンプを丹沢山中で、という予定だったものを、山梨の後輩の畑で焚き火をして、寝るのは彼の家の中でという、ぜいたいきわまりないものに変更になった。
  
 彼は、首都圏出身のサラリーマンだったが、もうだいぶ前に農民に変身した。当節の農民転身ブームとは無縁の頃の英断による、先駆者である。
 
 畑の空いている場所を借りて、焚き火をして、魚を焼いたり、スペアリブを焼いたり、あたりめをあぶったり、豚汁を煮たりしながら、酒を飲んだ。
 
 夜半に引き揚げて、家に入れてもらった。途中、引き揚げ損なって、路上で凍死しそうになった人もいたが。
 
 翌日は、彼のホウレンソウ畑で、収穫のお手伝い。すばらしく濃い緑色の葉が肉厚の、ちぢみホウレンソウだ。かえって、足手まといになったのではと心配だが、私としては、貴重な体験をさせてもらった。
 
 都会の生活に何だか、いっぱい疑問を感じてしまった。
 
 穫ったホウレンソウを、その夜、塩コショウで炒めて食べた。びっくりするくらい甘くておいしかった。
 
 どうもありがとうございました。