快傑ハリマオのターバン

 昨日、私が所属している世田谷区民吹奏楽団の演奏会が、無事に終わった。
 この演奏会では、たくさんの団員が自分の能力をそれぞれ活かして活躍し、成功するさせることができた。私自身もたくさん勉強になった。
 さて、演奏会の演出の中で、各々が、配布されたサテンの布を衣装の飾りとして使うことになり、私は緑色の布を細くして頭に巻いて肩に垂らし「快傑ハリマオ」のターバンのようにしてみた。
 「快傑ハリマオ」のターバンを見たことがある人は少ないだろうし、そもそも「快傑ハリマオ」を知らない人の方が多いだろう(私もテレビ放映のずっと後の世代なので写真などで見ただけだ。ただ、団員の一人は、旧海軍軍政史の研究者であるため、「快傑ハリマオ」の歴史的な背景まで知っていたが)、私がそれをしても、ハリマオ役の精悍な姿とはあまりにもほど遠いせいもあり、その評価はさまざまだった。
 最初は、団員の何人かから、「酔っぱらいのサラリーマンみたい」「宴会でネクタイを巻いている姿ですか」などと言われた。単に「テンション高くなってきましたね」と愛情と好奇の目で見られもした。
 しかし、それにめげずに頭に巻いて出演したら、聴きに来てくれた知り合いからは「鉢巻き」との評をいただき、一人だけから「ターバンがすてきでした」と言ってもらった。
 おそらくあのターバンは、インドネシアからマレーシアあたりのイスラームのターバンか、あるいは東南アジアに広く見られる民族衣装としてのターバンを、戦後になって、印象としてイメージしたものなのだろう。
 あんな格好をすることは、もう、ないだろう。