だんだん秋に

 自分の生まれた季節が、その人にとっていちばん心が休まる季節なのではないか、と思う。
 私は初秋の生まれなので、きっとこの世に出て来て、五感が少し芽生えた頃は晩秋であったろうか。
 夏も春も冬もそれぞれに好きだけれど、秋の深まりには、毎年のように心が慰められる。