黒澤明『夢』の「赤富士」で原発爆発

 黒澤明監督は1955年の『生き物の記録』で水爆への恐怖を描いている。
 そして、1990年の『夢』の中で原発の脅威を描いている。
 オムニバスのこの映画の中の「赤富士」というエピソードで、原発が爆発し、富士山が真っ赤に燃えて溶けていく。
 原発の存在を痛烈に否定して、かなり思い切った描き方だった。
 当時は、マスコミでも、まだ原発に対しての疑問は語られていたように思う。それが、10年くらい前から、ぱったりとそうした意見が、メジャーなマスコミから消えた。不思議なくらいであった。