痛風

 昨日、友人らと飲んでいて痛風の話しになった、少し前に飲んでいた時にも痛風の話しになった。ブログのコメントにも痛風のことを書き込んでくださった方がいた。
 風が吹いても痛いという、痛風。私もなったからその痛さはよく知っている。
 あれは、数年前、京都へ一人で取材に行った帰りだ。何だか足が痛くなってきた。腫れてきて、痛みはどんどん強まる。耐えられないくらいの痛みになった。
 取材道具とカメラまで入った重いカバンを持って、新幹線の最終に乗った。真っ赤に腫れ上がった足の痛みは、じっとしていても強くなるばかりだ。私は、ねんざでもしたかと思った。けれども、尿酸値は高かったので、ひょっとしたら、とも考えた。
 新幹線の車両は、一番端で、終電で誰もいなくなったホームを、足を引きずって、山手線のホームまで歩いた。泣きそうになった。
 私鉄に乗り換えた。混んでいた。つり革を握りながら、あまりの痛苦に脂汗をびっしょりとかいた。
 目の前にアベック(カップルではなく)がいて、話しをしているのが、がんがん耳に入ってくる。
 「俺さあ、けっこう、ウイスキー飲むんだよね」「ええ、本当」「だからさあ、スコッチなんかも詳しいんだよね」「ええ、本当」「八重洲に知ってるバーがあって、そこでさあ、今度、良いスコッチ飲ませてやるよ」「ええ、本当」
 私は、苦痛も限界に達した。しかしその二人は、私よりも下車駅が遠かった。
 翌日、医者に行ったら、痛風と診断された。生涯治らないのだとも言われた。ぜいたく病というけれど、今の人は皆ぜいたくだから、むしろ、体質なのだという。普段から、適度な運動と、バランスの良い食事、多めの水分摂取が良いそうだ。薬も飲むように言われた。ただ、私の場合にはあと5キロやせたら、たいていの体の問題は解決する、とも言われた。
 そうだろう、と思う。