金木犀の香りで嗅覚が目覚めた

 9月生まれのせいか、金木犀の香りがたまらなく好きだ。
 
 なぜ「せいか」かというと、ちょっと感傷的に考えるなら、9月に生まれて、視覚や聴覚などとともに、嗅覚が発達して機能しはじめた頃に、窓から、波のように金木犀の香りが寄せてきて、そうして、ベビーベッドに寝ている私の鼻腔に入ってきたのではないか。
 
 いや、もちろん、金木犀の香りが好きだという人は、12カ月のどの生まれの方にもいるだろうが。
 
 私は、金木犀の香りをかぐと、懐かしさや安堵感を通り越して、何とも胸をかきむしられるような、切なさのような、哀しさに近いものさえ感じる。
 
 やはり感傷的過ぎたようだ。
 
 ホームページのリニューアルの原稿をたくさん書いて、脳細胞が水っぽくなったせいか。